タガログ語では、naka-とnakaka-で始まる形容詞的な表現を頻繁に聞くので、その一部を取り上げてみたい。
naka-で「状態」を表す
| nakadikit | 貼り付けられている、くっついている |
| nakasapatos | 靴をはいている |
| nakatupi | (服などが)たたんである |
| nakasalamin | メガネをかけている |
| nakatira | 住んでいる |
| nakahiwa | (ピザなどが)切ってある |
| nakaupo | (椅子などに)座っている |
要はこれ、”状態“を表しているわけだ。品詞は、形容詞。maka-で始まる動詞の過去形のようにも見えてしまうが、nakadidikitといった現在形に活用できるわけでもないため(フィリピン人いわく)、用法を踏まえても形容詞と見るのが妥当と思う。
Saan ka nakatira?
君はどこに住んでいる?
私は当初、nakatiraが動詞だと思っていたので”Where do you live?”をベタに現在形に見立てて”Saan ka nakakatira?”とフィリピン人に言った所、”nakatiraだよ”と直された。なんでかと聞いたら、「住んでいるという状態を表すんだよ」と言われ、むむむ!!と思った次第だ。
Sya! Yung nakasalamin!
あいつだよ、メガネをかけてるやつだ!
Mall of Asiaでジープニーの待ち行列にこっそり割り込んだ人を指して言われた言葉。
Nakahiwa na po ito.
これ、切ってあります。
ピザに切れ目をいれておいて、それを箱に詰めて渡した時にとっさに出てきた言葉。タガログ語として正しいと言われたので、大丈夫なのだろう。
May nakaupo ba dito?
この席、空いてますか?
nakaupoは座っているという状態を指すが、一時離席していても、その扱いになる。”may nakaupo ba”で、”その席を取っている人がすでにいるか”という解釈になり、要は、”その席、空いてますか?(座ってもいいですか?)”という問い掛けになる。
次は、nakaka-で始まる言葉を見ていこう。
nakaka-で「性質」を表す
| nakakainis | むかつく |
| nakakabusog | (食べ物などを指して)お腹いっぱいになる |
| nakakatakot | 怖い |
| nakakagigil | (かわいさまたは不快感から)感情を揺さぶられる |
naka-がすでに落ち着いた”状態”ならば、nakaka-は発動しうる”性質“と言えるだろうか。naka-よりいきいきした感覚がある。
nakakainis! は、ああもう、むかつくー、と言ったところ。そんなに深刻な雰囲気ではないかな。カジュアルで、よく聞く言葉だ。また、必ずしもネガティブな意味ではなく、ひねって「かわいいな、まったくもう!!!」という嫉妬じみたニュアンスでも使われる。
nakakabusogは、「これ、食べるとお腹いっぱいになるね」というニュアンスかな。
nakakagigil ka!
ほんっとにもう、かわいいんだから!
かわいい猫を指して言われた言葉。胸にきりきりくるような感じだろう。音と感情がマッチしているだろうか。”gilgil na gigil”といったフレーズも聞かれる。
というわけで、naka-で始まる「状態」を指す形容詞と、nakaka-で始まる「性質」を指す形容詞を取り上げてみた。個人的に、naka-は”nakasalamin”のように、つぶしの効く便利な表現だと思う。

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